【マイスター・ハイスクール】の指定校となり3年目を迎えた浜松城北工業高校。「ロボットを作れる・使える・ロボットを使って課題解決ができる人材」の育成を掲げ、さまざまな取り組みを実践している。今回は7月下旬に5日間かけて行われた【ロボティクス概論】についてレポートする。

民間企業からロボットについて学ぶ。
浜松城北工業高校
令和6年7月22日から26日までの5日間に渡って、浜松城北工業高校1年生を対象に【ロボティクス概論】が実施された。これは、地元のさまざまな企業を講師として招き、「ロボットを作れる・使える・ロボットを使って課題解決ができる人材」の育成を目的に、官民が協働して作り上げる授業。
初日は、ふじのくにロボット技術アドバイザーによるオリエンテーションからスタート。午後からは「ロボット技術アドバイザーになった気分で、自動化の提案をしてみよう」と題し、生徒が卓球ラケット製造の自動化に向けたアイデアを次々と考案した。
2日目は、「ロボットを作る」をテーマに、株式会社ソミックトランスフォーメーションが作業支援ロボットを持参し来校。ロボットの作り方について学んだほか、実際にロボットを動かし、どんな場面で使えるかなど、用途についての意見を交わした。
取材に訪れた3日目は、ASTI株式会社浜松工場を訪問。車載用AMラジオを題材に、数ある産業ロボットを組み合わせて、どんなロボットを使えば自動化できるかをグループでまとめ発表。午後からは実際に自動化された工場内を見学し、答え合わせを行った。
4日目には、「ロボットで課題解決」をテーマに、株式会社東洋鐡工所と株式会社アラキエンジニアリング、藤本工業株式会社がタッグ(TAFLINK)を組みサポート、5日目には、「ロボットでイノベーション」をテーマに株式会社日本設計工業を訪問。地元の企業を知るとともに、地元企業の技術力の高さを実感できる5日間となった。
浜松城北工業高校ではこの取り組みのほか、ヤマハ発動機株式会社と協働する【ロボティクス実習】、3泊4日でヤマハ発動機のフィリピン工場で実習を行う【海外インターンシップ】などが行われている。 地域の未来を担う若者の育成。これを実現するためには、地元企業との協働は欠かすことができない。こういう取り組みを取り入れる学校が増えることを切に願う。


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