筋肉をつけるには練習と食事を組み合わせることが大切です。
常葉大学
食プロデュースサークル
はじめに
練習量の増える時期になり、春の大会に向けて身体の強化や技術の向上を目指していますか。高校生の中には、食事を1日に3回食べていても筋肉が増えてこない選手がいるかもしれません。競技力を向上させるには、日々の練習を行うのはもちろん、自分の食事内容や量について理解し、食べる必要があります。食事量が足りないと、部活中に身体を動かすエネルギーが不足して、本来のパフォーマンスが発揮できなくなることがあります。また、練習で傷ついた筋肉の修復と増強ができなくなり、筋肉量の増加は望めません。今回は皆さんが部活の時にどれくらいのエネルギーを使っているかと、身体の強化に必要な3大栄養素と言われる炭水化物、たんぱく質、脂質について詳しく説明します。
部活で消費するエネルギーについて
皆さんは、部活でどの程度のエネルギーを消費しているかを知っていますか。今回は基礎代謝量と1日のエネルギー消費量を求める式を表1に示します。基礎代謝量とは、1日に必要となる最低限のエネルギー代謝量のことで、体温の保持や内臓を動かす時のエネルギーになります。これに「身体活動レベル」を掛けることで、1日のエネルギー消費量(推定)が算出されます。運動部の場合、身体活動レベルは「高い」となると思います。
炭水化物について
炭水化物は身体を動かすエネルギーとなり、パフォーマンスに関わる大切な栄養素です。部活中に走るなど身体を動かすためには、炭水化物から作られたエネルギーが使われます。しかし、この炭水化物の摂取量が不足すると、エネルギー源が不足し、たんぱく質を分解してエネルギー源として利用するメカニズムが働いてしまい、筋肉が分解されてしまいます。国際オリンピック委員会のスポーツ栄養コンセンサスによれば、持久系のアスリートに推奨されている炭水化物の摂取量は、体重1kgあたり7~10g。70kgの選手では、1日に必要な炭水化物の量は490~700gとなります。ご飯に換算すると普通茶碗(約150g。ご飯100gには炭水化物が約37g含まれる)9杯程度となります。ご飯だけで炭水化物をとるのではなく、パンや麺などさまざまな食品を組み合わせて炭水化物をとりましょう。
たんぱく質について
筋肉をつけるために必要な栄養素と聞けば、「たんぱく質」と答える選手が多くいます。しかし、筋肉をつけるためにたんぱく質を多くとれば良いという訳ではありません。過剰にたんぱく質を摂取してしまうと、筋肉の生成に使われなかったたんぱく質は体外に排出されたり、身体の中に体脂肪として蓄積してしまうことがあります。身体づくりを意識しすぎてたんぱく質を過剰に摂取することは避けるようにしましょう。国際オリンピック委員会によれば、エネルギーを十分に摂取しているのであれば、持久系競技では体重1kgあたり1.2~1.4g、筋肉・瞬発力系競技では体重1kgあたり1.7~1.8gのたんぱく質が推奨されています。
脂質について
脂質と聞くと体脂肪を考える選手がいると思いますが、エネルギーを作る栄養素でもあります。また、ある程度の体脂肪がないと接触プレーなどで怪我をしやすくなります。たんぱく質を多く含む食品は多くの脂質を含んでいることが多いです。たんぱく質を多く含む肉、魚、卵などを食べ過ぎると、それに伴い脂質の摂取量も増えます。脂質の摂り過ぎを防ぐためには、脂身の少ない肉や魚を選ぶこと、揚げ物を食べ過ぎないなど、選手自身で脂質の摂取量をコントロールしましょう。
まとめ
筋肉をつけるには練習と食事を組み合わせることが大切です。今回説明した3大栄養素を効率よくエネルギーにし、身体の調子を整えるビタミンやミネラルを多く含む野菜類や果物類を摂取し、バランスの良い食事をとることを心掛けましょう。
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