スポーツ選手の
食事の基本。
常葉大学
食プロデュースサークル
まず知っておきたいのは、栄養素とその役割についてです。
炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンを“五大栄養素”と言います。
それぞれには役割があり、それを理解することで、「今どんな食事を摂るべきか」がわかってきます。
スタミナを持続させたり、試合中のパフォーマンスを向上させるためには「エネルギー」が必要です。
エネルギーになる栄養素は、炭水化物と脂質、たんぱく質です。炭水化物を多く含む食べ物は、ご飯などの主食や芋類など、脂質は調理で使う油やナッツ類など、たんぱく質は、肉、魚、卵、納豆や豆腐などの大豆製品や牛乳など乳製品に多く含まれます。
筋肉をつけたり、怪我をしにくい「カラダを作る」栄養素としては、たんぱく質だけではなく、五大栄養素全てが必要となります。
その中でもミネラルにはたくさんの種類がありますが、特にスポーツ選手に重要なのはカルシウム、マグネシウム、鉄などです。これらを豊富に含む食べ物は、牛乳などの乳製品、しらす、納豆、牛肉、あさりなどです。
練習後の疲労回復や、風邪を引きにくくするなど「からだの調子を整える」には、ミネラルとビタミンが欠かせません。
ビタミンを摂取するとなると、野菜や果物(ビタミンC)ばかりに注目しがちですが、豚肉にはビタミン 、乳製品にはビタミン が含まれています。
試合の時期やからだの状態に合わせて、献立を変えることも大切です。
例えば、からだを大きくしたいオフシーズンには、エネルギーを多めに摂取するための食事が基本。市販の挽肉やベーコンなどの脂身のある肉や魚を使用した献立作りや、食事回数を増やすなどしてみましょう。
大会が近づいてきたら、炭水化物の量を増やします。
たんぱく質はいつものようにしっかりと摂取し、脂質は控えめにすることが大事。そのために、肉の種類は鶏胸肉、豚や牛の赤身肉に変更しましょう。試合でのパフォーマンスアップが期待できます。
大会当日は、炭水化物の割合を増やし、試合開始の3時間前に済ませることが大切です。
競技後には、失われたエネルギーを回復するために、炭水化物(主食)やたんぱく質(主菜)と一緒にビタミン類やクエン酸(野菜や果物)もしっかり摂れる食事にしましょう。スムーズな疲労回復が期待できます。
スポーツをしている人の悩みのひとつとして「スポーツ貧血」があります。
これはミネラル、その中でも鉄が不足していることが一因となるため、レバーやあさりなど、鉄を多く含む食べ物を摂取しましょう。ただ、鉄は吸収されにくいミネラルですので、たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取することをオススメします。タンニンは鉄の吸収を妨げますので、食事中にお茶を飲む際は、タンニンの少ない麦茶やほうじ茶が良いでしょう。
[tokoha]