何かを食べるのではなく、目的に合わせて食べるものを変える工夫は、体づくりやパフォーマンス向上に関わってきます。

常葉大学 食プロデュースサークル

常葉大学
食プロデュースサークル

はじめに

運動部などの活動量が多い生徒はエネルギー摂取量が多いため、3食に加えて補食を活用することが重要です。補食には、おにぎりやバナナ、オレンジジュースなどが主に使用されています。ただ、スポーツによって目標エネルギー摂取量は異なるため、その目的によって、補食の内容を変更する必要があります。今回は、目標エネルギー摂取量の違いや、具体的な補食についてお話しします。

目標エネルギー摂取量の違い

ジュニアアスリートにとって、日々適切なエネルギー量を摂取することは重要です。特に体格が変化するジュニアアスリートは、エネルギーの摂取量をコントロールする必要があります。表1にサッカーとバレーボールについて、運動強度や競技特性、1日あたりの目標エネルギー摂取量をまとめました。サッカーは持久的なスポーツ、バレーボールは瞬発的なスポーツです。スポーツや性別によってエネルギー摂取量が大きく変わることがわかります。目標エネルギー摂取量が異なることにより、補食の工夫も必要となってきます。

補食の重要性

補食は、厳しい練習に備えたり、練習後の筋肉の速やかな回復を促すために、状況に応じて摂取することがポイントです。朝練習、夕方練習など、練習前後に補食を活用すると良いでしょう。また、運動後30分以内は、「補食のゴールデンタイム」であり、運動後に素早く補食を摂ることによって、より早い筋肉の回復が見込まれます。通学時間が長く、帰宅まで30分以上かかる場合には、練習後に補食をとることもおすすめです。補食を「1日の食事の一部」として考えましょう。

常葉大学 食プロデュースサークル

目的別の補食

練習前には、エネルギー源となる「糖質」を豊富に含むものを、練習後には疲労回復を促すために、「糖質+たんぱく質」を組み合わせたものを選ぶことがポイントです。今回は、練習後の補食のベースを、おにぎり、ゆで卵、オレンジジュースを考え、それにどのようなものをプラスすることが良いのかを紹介します。体を大きくしたい選手は、エネルギー摂取量を増やすことと、たんぱく質を摂ることが重要になります。そのため、おにぎりをひとつ追加したり、具材を脂質とたんぱく質も摂ることができるツナマヨネーズに変更するといった工夫ができます。疲労回復を目的とする場合は、おにぎりの具材をビタミンB群を摂ることができる鮭に変え、エネルギーを確保するためにバナナを追加するといった工夫ができます。他にも、糖質とたんぱく質を同時に摂ることができるハムチーズサンドや肉まん、ビタミンCが含まれているみかんを食べることも有効です。

補食に向かない食品

菓子パンなどの菓子類は、栄養素が糖質と脂質に偏っています。脂質が多いと消化に時間がかかるため、トレーニング前後の補食には向きません。

まとめ

1日に必要な摂取量が多いジュニアアスリートにとって、補食の活用はとても重要です。ただ何かを食べるのではなく、目的に合わせて食べるものを変える工夫は、体づくりやパフォーマンス向上に関わってきます。自分の理想に近づけるような補食を摂ることを心掛けていきましょう。

常葉大学 食プロデュースサークル ジュニアアスリートレシピ つなぐ 常葉大学

関連記事