ダンスで人生が変わる、社会を変える、
 世界とつながる。

静岡産業大学

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スポーツ基本計画(2017~2021年)のキャッチフレーズは、スポーツで「人生が変わる!社会を変える!世界とつながる!」です。今回は「スポーツ」を「ダンス」に変えて考えてみましょう。

ダンスの日

11月29日は何の記念日か知っていますか。「ダンスの日」です。日本開国後の西洋化が著しい明治時代に、諸外国から訪れる国賓等を迎えるために建造された社交場である「鹿鳴館」の開館日(1883年11月29日)にちなんで日本ボールルームダンス連盟が制定しました。

昨年、ダンス記念日にあわせて大塚製薬ポカリスエットPR事務局は、ダンスの意識調査をしています(対象は高校生、大学生、社会人・合計500名)。ポカリスエットで展開されているダンスCMのプロモーション動画の総再生回数が2016年11月には約5千万回を突破したことから、今の高校生はなぜこんなにダンスが上手で、ダンス動画にハマるのかの謎を解くために行われました。

それによるとダンス経験は年代が若くなるほど経験率が高く、高校生の86%はダンス経験がありました。しかも、そのうちの約3割は自主的にダンスをしています。ダンスをしたのは「学校の授業」が最も多く、高校生の8割近くが学校の授業でダンスを経験しているのに対し、30代以上では4割弱でした。この結果を受け、2012年に始まった中学ダンス必修化の影響が大きいと、私は解釈しています。そして、ダンス動画撮影の経験は、高校生34%、大学生41%、20代以上18%と世代で大きな差があり、ダンス動画を撮って友だちとシェアして思い出を作ったり、人に見せるのは当たり前と言ってダンスを積極的に楽しむ高校生が増えています。

ちなみに、今年6月に都内で行われた「ポカリガチダンスFES」では全国から集まった約四千名の中高生が踊り、「CM向けに同時に踊った最多人数」としてギネス世界記録を達成しています。

ダンスは世界を救う

今年10月7日、ブエノスアイレスで「第3回ユースオリンピック競技大会2018」が開幕しました。この大会からダンススポーツ競技のブレイキン(ブレイクダンス)が正式種目に採用され、日本代表の女子高生が金メダルを獲得しています。

「ブレイクダンス」は、1970年代頃にニューヨークのギャング同士の銃撃戦などの代わりに技や踊りを見せ合い戦う(バトル)ことが発展したものであり、「HIPHOP」カルチャーのひとつと言われています。「スポーツ」の起源も、人々が殺しあう代わりにスポーツで戦うと解釈した研究者もいます。しかし、有史以来、世界で戦争をしなかった(人が人を殺す)のはオリンピック開催期間だけかもしれません。仏陀もキリストも「人を殺してはならない」と言っているのに、私たちはなんと愚かな生き物なのでしょうか。

一方で、世界で一番踊る国と言われるセネガルでは、部族間の闘争よりも踊りを優先する文化が根付いています。年頃になった娘はダンスデビューを果たします。そのために娘たちはドレスを新調して踊りの技を磨き、親は町中の人に料理や飲み物を振る舞います。老若男女が夜を徹し、太鼓のリズムに合わせ踊り続ける光景が見られます。ダンスやスポーツが、「世界を救う日」が来ることを祈るばかりです。

今回は、ダンスが「人生を変えたり、社会を変えたり、世界とつながる」事例を紹介しました。どんな夢でも追いかけていれば、「その夢」であなたの人生は変わるようになると私は思います。

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