このオフこそ
しっかり増量したい。
常葉大学
食プロデュースサークル
「もっと体重を増やしたい」。そう思っているアスリートも多いのでは。
しかしながら、単に太るだけは意味がないですよね。競技力を向上させるために筋量を増加させてこそ意義があります。筋量の増加を目的に増量を行うには、一日のエネルギー摂取量を知る必要があります。そこで、下記にエネルギー消費量を算出できる表をご用意しました。表1では、ご自身の体重、身長、年齢を式に当てはめることで「基礎代謝量」が算出できます。基礎代謝量とは、1日に必要となる最低限のエネルギー代謝量のこと。これに「身体活動レベル」を掛けることで、1日のエネルギー消費量(推定)が算出されます。運動部の生徒の場合、身体活動レベルは「高い」となると思われます。
次に、増量するための栄養素についてです。増量と聞くと、たんぱく質をとにかく摂取する人が多くいます。しかしながら、過剰に摂取されたたんぱく質は筋肉を合成することには使われず、体外に排出されたり、体脂肪として蓄積されたりしてしまうことがあります。身体づくりを意識するあまり、必要以上にたんぱく質を摂取するのは避けるべきでしょう。となると、「どの程度たんぱく質を摂取すればよいのか?」となります。
国際オリンピック委員会のスポーツ栄養コンセンサスによれば、たんぱく質の摂取量は、エネルギー摂取量が十分であれば、持久系競技で体重1kgあたり1.2~1.4g、筋力・瞬発力系競技で体重1kgあたり1.7~1.8gのたんぱく質摂取が推奨されています。
これを参考にして、1日に必要なたんぱく質の摂取量を知ることができます。
なお、女子選手は男子選手の10~20%ほど低い量を摂取すればよいとされています。
また、レジスタンストレーニング(筋トレ)を行うことにより、筋たんぱく質の合成は高まります。従って、食事とトレーニングの両方を意識し、増量することが大切です。
増量には摂取エネルギー量を増やす必要があるため、炭水化物の摂取が重要になります。
理由としては、運動を行うときに主に炭水化物がエネルギー源として使われるためです。炭水化物の摂取量が少ない場合、エネルギー源が不足し、たんぱく質を分解してエネルギー源として利用するメカニズムが働いてしまい、筋肉が分解されてしまいます。そのため、炭水化物を摂取することは非常に重要です。
国際オリンピック委員会によれば、持久系のアスリートに推奨されている炭水化物の摂取量は、体重1kgあたり7~10g。60kgの選手では、1日に必要な炭水化物の摂取量は420~600gとなります。ご飯に換算すると普通茶碗(約150g。ご飯100gには炭水化物が約37g含まれる)7杯程度となります。
脂質についてですが、脂質は、たんぱく質を多く含む食品に含まれていることが多いので、魚や肉を増やせば、自然と脂質の摂取量は多くなります。脂質摂取が過剰になると、体脂肪増加の原因となるので、脂身の少ない肉や魚を選ぶなど、脂質の摂取量はやや控えめにするのが良いでしょう。
今回は三大栄養素を中心にお話ししましたが、野菜や果物等のビタミンやミネラルを含む食品も、しっかりと摂取するようにしましょう。
[tokoha]