一日の食事から見る
 食の改善策。

常葉大学 食プロデュースサークル

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はじめに

このコラムではこれまで、食事の内容や量、補食の役割について説明してきました。今回は、ある高校サッカー部に所属する生徒の一日の食事を例として、食事をどのように改善していけばよいかを解説します。部活動をしている生徒はそうでない生徒よりも、エネルギーや栄養素摂取量が不足しやすいため、食事の量や質、食事を摂る時間を大切にする必要があります。

朝食について

今回の例(表1)を見てみると、主菜(肉や魚などを含む料理)や乳製品がありバランスのとれた食事に見えますが、野菜の摂取量が少ないことが分かります。ソーセージ炒めに野菜を入れるとよいでしょう。また、朝から食事をたくさん食べられない場合は、どれか一品をなくすのではなく、一品ずつの量を減らし、自分が食べられる量に調整するとよいでしょう。

昼食について

昼食のお弁当ですが、ここでも野菜の量が少ないことが分かります。そこで、野菜の摂取量を増やす工夫として、卵焼きにミックスベジタブルを入れる等してはいかがでしょうか。昼食は午後の部活動のエネルギーを補給する場でもあるので、主食(炭水化物)を中心に副菜(野菜が中心の料理)、主菜をバランスよく摂取するようにしましょう。それぞれの割合の目安としては主食を半分、もう半分は副菜を主菜よりも多くするとよいでしょう。

間食について

メロンパンは、エネルギーが高くエネルギー補給に適していると思われますが、実は脂質も多く含まれています。脂質は糖質に比べ、消化に時間がかかるため、すぐにエネルギーにはなりません。補食をコンビニ等で購入する際には、商品の裏面の栄養表示を確認し、脂質の少ないものにするとよいでしょう。補食の例として、おにぎりについて表2に示します。おにぎりは脂質が少ないため、エネルギー補給には適しています。具を選ぶことにより、タンパク質も摂取できます。

また、オレンジジュースは、糖質、糖質の吸収を助けてくれるビタミン類を摂取することができ、また水分の補給にもなります。果物ジュースを選ぶポイントとして、果汁が100%であるか、ビタミンCが含まれているか確認してみましょう。

夕食について

主食・主菜・副菜がそろった食事です。汁物、そして、できれば副菜をもう一品摂取するとよいでしょう。激しい運動をすると、身体にダメージを与える物質(活性酸素)が作り出されます。その活性酸素から身体を守るためには、活性酸素抑制に効果のあるビタミンCやビタミンEなどを含む食材(緑黄色野菜など)が効果的です。そこで、汁物として、きのこの味噌汁を、副菜としてさやいんげんのごま和えをおすすめします。味噌汁の具材のきのこにはカルシウムの吸収をサポートするビタミンDが多く含まれています。夕食のポイントとしては、一汁三菜を心掛け、身体の成長のために必要なエネルギーを摂取し、練習で消費した栄養を補給、さらに、翌日の練習に備えることです。

最後に

食事はなるべく栄養バランスを考えた食事内容にし、一汁三菜、そして乳製品と果物の摂取をするように心掛けてください。とくにジュニアアスリートの場合は、主菜と副菜の割合が逆転して、主菜の摂りすぎが問題となりやすいため、意識して野菜を多く使っている副菜を摂取するようにしましょう。

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