今回、「Tsunagu」を一緒に創ってくれた高校生を代表して、二人の高校生にインタビュー。企業訪問についての感想、訪問先から学んだこと、さらにはインターンや職場体験が今後どうなればいいかを中心に、話を聞いた。
私たちは もっと企業のこと、社会のことを知りたい！
米澤景虎くん／浜松工業高校 機械科
下位奈々さん／浜松商業高校 情報処理科
企業に訪問してみてどうでしたか？
下位 自分のなりたい職業が決まっている場合、その業種の会社ばかり調べてしまうけど、他の業種を知れたことは良い機会になったと思います。将来どんな職業に就いたとしても、仕事で繋がることがあるかもしれないですし、繋がることで新たに仕事が生まれるかもしれないので、さまざまな業種を知っておくことは必要だと感じました。
米澤 実際に訪問して、雑談や質疑応答を通して社員の方の生の声を聞けたことが良かったです。ホームページに書いてあるようなことではなく、実際に働いている人が感じていることや、思っていることを知れましたし、社内の雰囲気も感じることができました。実際に行かなければわからないことが知れて、働くことについてより深く知れる貴重な機会でした。
訪問先から学んだことは？
下位 目先の利益をただ追い求めるのではなく、長期的な角度から物事を客観的に見ること。人と信頼関係を築いて、互いに気持ちの良い仕事ができるようにすることが重要であると学びました。それを実現するためには、「みんな対等に」、そして「協力していける」環境を作れる人材が必要なのだと学びました。
米澤 何よりも「信頼」が大切であると学びました。お客様からの信頼はもちろんのことながら、社員間での信頼、例えば、仕事を任せられる、仕事を任せてもらえるなど、全ての仕事は信頼関係で成り立っているのだと学びました。社員の心を豊かにする、モチベーションを上げるためのさまざまな取り組みも行っていて、社員の皆さんが会社を信頼しているように感じました。
話を聞くのは年齢が近い人がいい？
下位 そうですね。年齢が近い社員さんのお話は共感できることも多いですし、参考になることは多いです。社長さんや人事の方のお話は、どちらかというと経営の視点が強いと思うので、働く環境というよりも会社の理念だったり、今後の展望などを聞きたいです。どちらも聞ければ一番良いですね。
会社の将来性は気になる？
米澤 気になりますね。安定とはまた違うと思うのですが、景気の変動をどう乗り越えていくのか。日本の経済力も年々下がってきていて、企業の売り上げが下がってきた時にどう対応していくかは企業として大切なことだと思います。AIも進歩してきて変動していく社会の中で今後もその仕事があるかや、そうした社会の中でしっかりと対応し、適応できていける会社かどうかという点は、就職先を選ぶうえでも重要な点だと感じました。
今後もこういう機会は必要ですか？
下位 必要だと思います。今回は春休み期間でしたが、できれば授業でこういうことができたらと思います。商業高校なので、1年生の頃から企業見学にもっと行くのかと思っていました。学校に企業の方が来て話を聞く機会はありますが、実際に働いている現場に行くことは意外と少ないです。直接自分の目で見た方がわかることも多いので、もっと見学できる機会があればいいなと思います。
米澤 さっきも言いましたが、実際に働いている社員さんと話すことはとても重要だと思うので、必要だと感じています。今回の機会以外にも、高校ではインターンもありますので、そこにも積極的に参加できればと思っています。中学の時も職場体験はありましたが、実際の業務をすることはなかったので、実際の業務を体験してみたいと考えています。社員のモチベーションを上げる、もしくは維持するための会社側の工夫も聞いてみたいです。ただ、聞いただけではわからないことがたくさんあることが分かりましたので、現場に行ってみたり、実際の業務をしてみたりすることで、もっと会社のことを知れれば、自分に合っているかを見極められるのではないかと思います。
今後のインターンや職場体験などに期待することはありますか？
下位 まずは貴重な企業訪問の機会を設けてくださり、ありがとうございます。さまざまなことが印象に残りましたが、それは全て、実際に会社に赴き、自分の目で見て、直接話を聞いたからこそです。事前に訪問先の企業のホームページを見て調べていましたが、それだけでは分からないことがたくさんありました。学校での座学も大事だと思いますが、現場で得た学びは、それを遥かに超えるモノでした。このような企業と直接的に関われる機会が、例えば、大学のオープンキャンパスのように、もっともっと身近な存在になって欲しいと思います。欲を言えば、授業の一環として、全学年で行われるような取り組みになれば良いなと、体験したからこそ、強く思いました。
米澤 インターンや職場体験というと、経験できる回数が限られているため、どうしても就職を希望する業種になってしまいます。就職した後に、「あっちの業種の方が良かった」と思わないためにも、「やっぱりこの業種で良かった」と思うためにも、いろいろな業種を見て聞いて、知ることが大切だと感じました。バスに乗って大人数で行う工場見学では、どうしても当事者意識が希薄になってしまいますが、今回のような少人数での会社訪問および現場見学だと、集中して見聞きできたので、とても有意義でした。夏休みなどを利用して、少人数でさまざまな会社を訪問できる機会がもっとあればいいと感じました。
今回の会社訪問を通じて感じたのは、我々が思っている以上に、社会を知りたい意欲に溢れ、仕事について学びたい高校生が多かったということ。高校生を受け入れられる企業、さらには仕事を体験できる機会が増えれば、社会が抱える課題を解決できる。そう感じた。
