静岡県西部選抜がドイツへ遠征。
U-16静岡県西部選抜欧州遠征
昨年の10月、11月の期間で、選考会を行い、選出されたU16静岡県西部選抜。各校の選りすぐりの選手たち58名が参加した選考会を突破し、メンバーに選ばれたのは、18名。この18名で2月からトレーニングを重ね、3月21日からの欧州遠征へと旅立った。
西部選抜の欧州遠征は、今回で24回目。イタリアやスペイン、オランダなど、年ごとに行き先は様々で、今年は昨年に続きドイツへの遠征となった。滞在したのは、ドイツのヘネフ。ここで、同年代の現地チームとテストマッチを行った。
2日目となる22日には、SG99アンダーナッハと対戦。前半に平野(浜松北)と、伊藤(浜松湖南)のゴールで2点を先行し、後半へ。後半に2点を失うも、袴田(袋井)の決勝ゴールで3対2で勝利し、初戦を勝利で飾った。翌23日には、ブンデスリーガ1部のFSVマインツのU17と対戦。前半で2点、後半に3点と失点を重ねる。袴田のゴールで一矢報いるも、1対5で敗れた。
24日は、トレーニング後にユーロ予選の観戦でオランダへ。オランダ対ドイツの一戦を観戦し、世界のトッププレイヤーたちの真剣勝負、サッカー先進国のサッカー文化を肌で感じた。
25日には、こちらもブンデスリーガ1部のメンヘングラードバッハのU17と対戦。澤田(浜松東)が2ゴールを挙げるも、8失点を喫し、2対8と大敗。27日には、ボンナーSCU17と対戦したが、0対3で敗れ、4試合で1勝3敗という結果で欧州遠征を終えた。
この遠征の経験は、選手たちに多くのことを感じさせた。体格や技術の違い、意識の高さやコミュニケーションの取り方。日本ではあまり見ることのない光景を実際に目にし、肌で感じることができた。
14年前に選手としてこの遠征に参加し、今回監督として指揮をとった伊藤先生(オイスカ)は、「ドイツでは、技術的な部分よりも、判断力や思考力の低さを指摘されました。ここでは、選手のプレーを決めつける指導や、自由を奪う指導がされていません。日本では、未だに思考力を停止させる指導がされていて、選手たちの判断力や表現力が乏しい。我々指導者も変わっていかなくてはならないと強く感じました」と話す。
この遠征の目的は、西部地区のサッカーの発展と異文化との交流。参加した選手たちには、それぞれのチームに、この経験を還元していくことが求められる。そして、そうした経験を取り入れたチーム同士が切磋琢磨し、西部地区のレベルが上がる。それこそがこの欧州遠征の意義となる。