「試合撮影」のその先へ!「スポーツデータ」の 活用にチャレンジしよう!

静岡産業大学

静岡産業大学誌上セミナー
講師/徐広孝先生

動画を撮る、視る、考える。それで本当に活用できてる?

早速ですが、この記事を読んでいる皆さんに質問です。

「あなた(運動部と仮定します)は試合の映像や動作フォームを撮影したことがありますか?」

多くの高校生がこの質問に対してYESと答えます。それほど、現代スポーツは情報機器の活用が身近になっているのです。スマホでスーパースロー映像が撮れる時代ですから、これを活用しないのはもったいないですよね。

では、次の質問です。

「撮影した後、どんな活用をしましたか?」

多くの高校生が、「動画を見て長所や短所を考えた」あるいは「動画を見て次の試合の参考にした」といった回答をします。つまり、映像の活用方法のほとんどは「視る&考える」にとどまっていて、視ると考えるの間に、データ化するというプロセスが入っていないのです。

データ化はトップアスリートにとって当たり前

スポーツアナリストは、選手の試合中や練習中のデータを取得して、戦術やコンディショニングに活用する専門的な仕事を担う人のことです。GPSを使って走行距離を測定してオーバーワークを防いだり、試合映像からパフォーマンスデータを取得して戦術に活用したりすることは、プロレベルのスポーツ(特に球技)では当たり前になりました。データ化することによって、選手やコーチが感じていることの根拠を示したり、今までにない視点に気付くことができたりするのです。こうしたスポーツ×データの価値が認められているため、スポーツアナリストの需要は近年、急速に高まっています。

アマチュアスポーツだってやる気があればできる!

ところが、学校部活動でアナリストを雇うことはまず無理なので、自分たちでやらなければなりません。私が中学・高校のテニス部の顧問をしていた時は、自分でアプリを開発して測定、分析をしていましたが、選手自体がスポーツアナリティクスに興味を持ち、皆で実践するようになれば、練習の質が大幅に高まるだろうなと感じていました。

もしあなたがその可能性に同感するのであれば、自分たちのチームで、リトルアナリストを育ててみませんか。プロのスポーツアナリストは高額な専門アプリを使っていますが、アプリが担う部分を手入力とExcelでの分析に置き換えるのです。高度なことはできませんが、そんなに難しい話ではありません。例えば、サッカーのパスソナー分析(※)をExcelで作ることだってできます。もし、本格的にやってみたいのであれば、プログラミングや統計分析、機械学習といった知識を身につけると良いでしょう。Open CV,Python,Rといったキーワードが最新トレンドです。また、インターネットで検索すれば、スポーツアナリティクスの様々な実践が見つかります。

スポーツデータを最大限に活用した次世代のチーム作りに、挑戦してみてはいかがでしょうか。

(※)パスが出た位置や方向、本数を記録する分析方法

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協力/静岡産業大学

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